おしえて岩﨑先生!

令和2年11月3日(火)13:00~14:30 ハピテラス(福井駅西口広場)

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「With・After コロナ」をテーマに、家族を中心とした健康・思考・くらしについて楽しく学ぶイベント “エフ・カルチャー2020” が開催されました。福井県P連では「コロナ禍での暮らし方の知恵」について、福井大学附属病院医療環境制御センター 感染制御部 岩﨑博道教授の講演とパネルトークを実施しました。

感染症拡大下の内において、より安全安心な人と交わる生活のヒントを共に学び、考え、「笑顔」いっぱいの前向きな生活へとチェンジするきっかけになれば幸いです。

岩﨑先生 講演

   

■100年に一度の感染症の流行、100年前にスペイン風邪が猛威をふるったように、コロナ禍の1年となりました。コロナという言葉はギリシャ語で「王冠」という意味で、まるでウィルスの王様のような印象を受けました。日本の感染者数は世界と比べて多くはなく、日常生活を過ごすうえでマスクの着用に抵抗がない国民性が影響しているようです。また、このウィルスは8割程度は感染しないようです。インフルエンザと比べて感染しているのが分かりにくいため、十分な換気環境にない場合での感染が大部分を占めているとのことです。子供たちが感染拡大を未然に防ぐうえで教室の中での過ごし方が気になっていたのですが、これから寒くなる季節においても教室の窓を開けたままにする必要はなく、休み時間中に5分以上開け、サーキュレーターなどで空気を循環すれば十分な換気がとれるとのお話を聞き、とても参考になりました。今後、対策を講じるにあたって大切なこととして、

 1.3密(密閉・密集・密接)空間を作らない

 2.マスク着用を心がけ、公共の場所では共用するものに触れたら30秒間の手洗いを励行する

この2点を行うことで、子供たちの安心した学校生活が送れると感じました。様々な場所やモノを消毒しても効果がなく、私たちがいかに予防していくことが大事なことだと感じました。(記 広報 横田)

■今の福井は流行期といえる状況ではないようです。ただし気を付けることがいくつかあり、それはどこに行くかの「場所」でなく、話をするときや食事のときにマスクを外す「場面」に気をつけることです。3密にならないように工夫をしながら活動をしていけば良いとの事でした。野外や団体スポーツ自体はリスクが低いが、その前後の行動に気をつけるようにしたらよい。リスクをゼロにすることは現実的に難しいため、環境は汚れているものと考え、しっかり手洗いをすることが大切だと感じました。また、感染は子→子よりも親→子などの家庭内の場合が多いため、家庭内で注意するように心がけたいと感じました。こどもよりも大人が注意する、気をつける。子供たちの日常を守るためには、私たち大人の行動にかかっていると感じました。(記 広報 山﨑)

岩﨑先生と福井県PTA連合会によるディスカッション

Q:海外諸国と日本の感染率・死亡率に違い(日本は低い)があるがその理由は

A:明確な理由は分からないが、考えられることは・・・

  生活習慣の違いによるもの

   ・マスク着用・うがいの励行が日本では抵抗感なく習慣化されている。

   ・ハグが欧米では日常的であるが、日本には習慣がない。

   ・日本は箸を使用して食事が多いが、欧米では手で食べものを掴み直接口に入れることが多い。

  その他

   ・明確ではないがBCGワクチン接種有無が関係している可能性がある。

   ・人種の違いがあるかは研究中である。

日本は海外に比すると感染を抑えられているようだ。だが、油断をすると感染拡大となる。油断は禁物。

 

Q:冬季は学校内でも暖房器具を使用するが、その際の感染予防対策は?また、空気の乾燥に対して加湿器の使用は必要か・・?

A:換気は必要。

   ・対面の窓を両方開ける場合、5分間程度で十分可能。

   ・片面の窓を開ける場合、サーキュレーターも使用すると良い。

  加湿器の使用は福井県では不要かもしれない。湿度は60%あれば大丈夫。30~20%以下の場合は加湿器の使用が必要といえる。

 

Q:これからコロナとインフルエンザの予防が必要になる。どちらも予防する方法は?

A:(今冬期はインフルエンザの感染者は少ないかも・・)

  コロナ、インフルエンザ共に感染は飛沫によることが多い。

  マスク着用を続けることが、どちら共への予防対策となる。

  インフルエンザ予防接種は11月中に接種することが望ましい。

 

◆これからの学校生活に対して◆

Q:学校生活において、バス・電車などを利用することへの予防対策は?

A:バス・電車内は3密状態になるかもしれないので、交通機関側の対策として換気が必要となる。

 利用者の対策としては、マスク着用・おしゃべりを控える・乗車前後の手洗いが必要。

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Q:今年度の部活動・大会開催(中止/代替・・)修学旅行の実施方法など、学校の対策に思われることは?

A:学校行事や活動の実施には保護者の心配もある。

  活動止めるよりも、活動への工夫が必要。感染が少ない時期は活動を拡げてほしい。マスク着用・手洗いは必ず。

  団体活動では、食事の場での予防対策が重要。マスクを外す時の対策を考える必要。

 

Q:プール学習もある。水中での感染についてはどう・・?また、部活動を行う上での注意点は?

A:水中では飛沫があっても、水により病原体は薄くなる。

 よって、競技中の感染よりも 水泳後の着替えの際の密を避け、会話を控えることが望ましい。

  屋外の部活動はリスクは無いと考える。同様に活動後の着替えの際の密を避け、会話を控える。

 ゼロリスクを求めても難しい。

 接触が多い、少ないはあるが、どちらにしても、接触者の後追いが出来るようにしておくことが大切。

 感染者との接触が判明しても、2週間の健康観察により無事が確認できれば良い。

 

 スポーツをすることがいけないのではない。

 学生の寮など、生活の中で食事の際の予防対策が重要。

 

Q:学校の放課後など、先生方が懸命に学校内の消毒をしてくださっているようで大変か思う。消毒作業の効率化の策はないか・・?

A:ウィルスをゼロにするのは難しい。

  環境は汚染されていると理解して生活すること。

  手洗いが大切だ!と子どもにもしっかり覚えてもらうことが必要。

  先生の負担軽減には、下校前に児童・生徒が自分の机や椅子などを消毒する方法もあるのではないか・・。(消毒剤による手荒れの問題があるかもしれないが・・)

 

Q:感染は大人から子どもへ、の経路が多い・・?

A:最近は、家庭内感染が多い。家庭の中はリスクが多い。・・だが仕方がない。

  具体的な対策はまだ分からないが、まず大人が感染予防をして生活することが大切。

 

Q:これまでに感染予防に関する様々な対策がなされてきたが、今後、統一されていくか・・?

A:ガイドライン・マニュアルはあるが、まだ統一が出来ていないものもある。

  全てを統一してもそれに沿えない場合、各学校で独自のマニュアルも必要かと思う。

 万が一、学校でクラスターが出来たとしてもがっかりではなく、「なぜ出来たのか、これからどうするのか」を考えることが重要。

 

Q:GoToキャンペーンにより旅行の機会もあるかと思う。旅行における注意点は?

A:旅行そのものに問題はない。

  感染拡大地域に出掛けることは注意が必要。

  帰福後、2週間の健康観察が必要。

 

司会者:接触アプリを活用すると良い。

    関心はあるが行動をとっていない現状があるかと思う。

 

■今回の講演・パネルトークを拝聴し、新型コロナウィルス感染予防にはやはり「マスク着用・手洗い・換気」が一番大切だと再認識できました。子ども達は、学校休業以来〔驚き・恐怖・期待・我慢・諦め・受容・切り替え・・〕と、心を大きく動かしながら日々を送っています。最近は、大人が考える策を守っていれば安心できる生活が送れると信じて落ち着いて、目の前の生活の中で笑顔で自分達が楽しむことに前向きに活動をしてくれています。その姿に大人が元気をもらっていると感じます。新型コロナウィルスの実態はまだまだ解明できませんが、大人は経済や社会活動を回復していかなければなりません。大人も策を間違えたり、遠回りをすることもあります。それも仕方がないのです。「今、何が大切なのか」と一所懸命に取り組む姿勢が、将来、子ども達が社会を担う立場になった時の規範の一つになるのかと思います。日々、子ども達のためにご尽力くださっている先生方、支えて下さる地域の方々に感謝し、保護者として出来ることを考え、実行していきたいと思います。貴重な時間を過ごさせていただけたことに感謝いたします。(記 広報 梅田)

■今回、コロナウィルスについて貴重な話を岩﨑先生から聞くことが出来ました。「このウィルスは100年に1度の大きな敵!」という事です。たしかに自分の記憶でも、これほどまでの人々の活動制限・経済停滞・国単位の緊急事態宣言・学校の臨時休校は初めての事です。よく話を聞いていると、コロナ感染者の8割は他人に感染させていない事が分かりました。また、感染者の8割は軽症、無症状に終わると仰っていました。また、マスク着用と30秒手洗いを頻繁に行う事でコロナ対策のみならず、インフルエンザ予防にもつながることが分かりました。皆がコロナへの危機感を持ち、予防活動をしていくことで1日でも早く子供たちや人同士の活動が活発になっていくことを願っております。(記 広報 長谷川)